令和8年7月25日、第57回 茨城県剣道団体選手権大会が開催されました。私が所属する「日立製作所大みか」はシニアの部に出場。結果は――準優勝。
決勝で敗れた悔しさと、道中で果たした一年越しの雪辱と。相反する二つを同じ日に味わうことになりました。
シニアの部の出場資格は60歳以上。全員が還暦を越えた剣士だけで争う大会です。
還暦を過ぎても、まだ本気で悔しがれる。この歳になってそう思える場所があること自体が、実はいちばんの財産なのかもしれません。
一打入魂。今日はその一日の記録を残しておきます。
大会概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | 令和8年度 第57回 茨城県剣道団体選手権大会 |
| 開催日 | 令和8年7月25日(土) |
| 会場 | 茨城電設スポーツアリーナ石岡(石岡市) |
| 主催 | 茨城県剣道連盟 |
| 種別 | 男子の部/シニアの部/女子の部 |
エントリーは男子の部83チーム、シニアの部21チーム、女子の部22チーム。会場は朝から熱気に包まれ、初戦から声援と拍手が飛び交う一日でした。
県内各地から、白髪まじりの剣士たちが集まってきます。
各部の結果
| 種別 | 男子の部 | シニアの部 | 女子の部 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 茨城県警察特錬部A | 神栖市剣道連盟 | 茨城県警察特錬部 |
| 準優勝 | 茨城町剣瑩会A | 日立製作所大みか | 芳明館 |
| 第3位 | 茨城町剣瑩会B | 三八会(鍛) | 下館士徳会 |
| 第3位 | 下館士徳会 | 三八会(錬) | 流通経済大学B |

シニアの部という舞台
シニアの部は、60歳以上の剣士による三人制の団体戦です。
つまり、この日コートに立った21チーム・63名は、全員が還暦を越えている。それでいて、試合は決して緩くありません。県警の特錬部出身者もいれば、学生時代から一度も竹刀を置いていない猛者もいる。
若い頃のような瞬発力はもうありません。稽古後の回復にも時間がかかる。それでも面をつけて立てば、相手との読み合いは何ひとつ変わらない。むしろ、若い頃には見えなかったものが見えてくるのがこの年代の剣道の面白さです。
体力で押し切れないぶん、崩し方、間の取り方、そして「打つべき一本を待つ胆力」で勝負する。シニアの部は、そういう剣道が正面からぶつかり合う舞台です。
チーム「日立製作所大みか」
出場メンバーは三名。私は中堅を務めました。
三人制の団体戦は、逃げ場がありません。誰か一人が崩れれば、そのまま勝敗に直結する。だからこそ、前を信じて、後ろに託す。この距離感が団体戦の醍醐味です。

試合経過|21チームのトーナメントを勝ち上がる

我々のシード番号は17番。右ブロックからの登場です。
21チームのトーナメントなので、一部のチームだけが戦う小さな1回戦があります。我々の初戦は、その次の2回戦からでした。
2回戦|対 癸兎会(錬)
3-0で勝利。
立ち上がりのいちばん硬い試合を、先鋒がきっちり勝利。そのまま3-0で通過しました。ここで流れを作れたのが大きかったと思います。
3回戦|対 朝日道場 ―― 一年越しの雪辱
0-0、代表戦の末に勝利。
この試合が、今大会最大の山場でした。
というのも、朝日道場とは去年も3回戦で対戦しているからです。そして去年は――大将戦で逆転され、そこで大会が終わりました。あの負け方は、一年経っても消えません。
今年、まったく同じ3回戦で再び当たる。組み合わせを見た時点で、三人とも腹は決まっていました。
試合は、先鋒・中堅・大将――三人ともが引き分け。本数も動かないまま、勝負は代表戦へ。
そして代表戦に立ったのが、去年、逆転を許したその大将でした。
決着は一瞬でした。初太刀の面。
打った瞬間に、旗が三本上がりました。
一年間、あの負けを抱えて稽古を続けてきた男が、その一年を一本に凝縮して振り抜いた。あの面は、しばらく忘れられないと思います。
準決勝|対 三八会(錬)
勝利。
三八会は(鍛)(錬)の二チームがともに第3位に入る強豪です。その一角との対戦でしたが、私(中堅)と大将が勝ち、決勝進出を決めました。
朝日道場戦で生まれた勢いが、そのままチーム全体を押し上げてくれた感覚がありました。
決勝|対 神栖市剣道連盟
そして決勝の舞台へ。
先鋒が二本負け。いきなり重い立ち上がりになりました。
今日の試合で初めてリードされた展開となりました。試合時間は3分間と短いので引き分けで大将戦にするのは厳しいと判断して、中堅の私は、「1本を取りに行く」決断をしました。できるだけ負担を減らして大将戦に回す――相手は2本勝ちのリードがあるので、無理には攻めてきません。なので、少し前に出て、相手が下がった瞬間に間合いを詰めました。
しかし、その瞬間にタイミングの良い面が飛んできました。
軽い打突でしたが、タイミングがバッチリ。結局、私が1本負けで、チームの勝敗が決しました。
続く大将戦は引き分けに終わりました。
取りに行った結果の一本負けですから、後悔はしていない――と言いたいところですが、正直に言えば悔しい。もう少し崩してから打てなかったのか、勝つ手段はなかったのか。あの場面は、しばらく頭の中で反芻することになりそうです。
賞状を手にして

賞状の文面は素っ気ないものです。けれど、この一枚に至るまでに、何度も打たれ、何度も打ち返してきた時間が詰まっている。
首にかかった銀色のメダルを見ながら、「来年は色を変えたいな」と、三人で笑いました。
一年越しに返せる、ということ
今回いちばん心に残ったのは、準優勝そのものよりも、朝日道場戦の代表戦でした。
去年負けた本人が、一年後、同じ相手の、同じ3回戦の、しかも代表戦という一番重い場面に立って、初太刀で決める。
こんなことは狙って起こせるものではありません。ただ一つ確かなのは、よくぞ初太刀に面を打ち切ったということです。
歳を重ねると、負ける怖さが知らず知らずに身に付いてしまいます。その怖さを振り切った初太刀は正直にすごい一本と思いました。私もリスクを回避しつつ試合を進めてきましたが、準決勝では身体が勝手に動いた飛び込み面がありました。このような技を普段から打てるようにしたいと思う今日この頃です。諦めずに精進して、来年は決勝でリベンジしたいです。
まとめ
- 令和8年7月25日、茨城電設スポーツアリーナ石岡にて第57回茨城県剣道団体選手権大会が開催
- シニアの部は60歳以上・三人制の団体戦。3分3本勝負。
- 日立製作所大みかはシニアの部で準優勝(21チーム中)
- 3回戦で昨年敗れた朝日道場に代表戦で勝利、一年越しの雪辱
- 決勝は神栖市剣道連盟に敗戦。中堅の私は取り返しに行っての一本負け
来年もまた、この三人でこの舞台に立てるように。日々の稽古を積んでいきます。
一打入魂。
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